この日は「MUGEN FESTIVAL」と銘打たれ、前座として日本のファーラウト / アメリカの Sound 70 & Troiel が出演。アメリカ組は Sly & Family Stone のカバー等を演奏してました。
UFOは当時の日本でのヒット曲「カモン・エヴリボディー」でスタートしましたが、ベースのピート・ウェイが指を切るというアクシデントがあり、６曲演奏したものの中途半端なままコンサートは終了。一部の欲求不満の観客が終了後も席で騒いでいたのを良く憶えています。

　今となっては『ファーラウトを観ることが出来て良かったな』なんて思うコンサートでした。

***よもやま話 いろいろ***
[ライブ録音のお話]
　当日は知るよしも無かったのですが、UFOのライブ・レコーディングが行われ、後日ライブ・アルバムとして東芝よりリリースされました。私の拍手が入っている最初のレコードです。当時これを買うほどの経済的余裕も無く、実際に購入したのは80年代に入って渋谷のタワー・レコードで買った、わけの判らないどこかの輸入アナログ盤です。

[怖い警備員のお話]
　野音の塀を乗り越えて入ってくる無料入場者を防ぐため、当日雇われたアルバイトは角材を持って塀の周りを警備していました。あえてコメントはしたくありません。

[幻のメインアクトだった人のお話]
　当日の事ではないのですが、UFOが前座になるはずだった Three Dog Night 日本公演の話です。記憶によりますと、当初彼らは武道館1回と関西では甲子園の予定でした。それもツェッペリンが武道館の日は甲子園で、大阪フェスティバル・ホールの日が武道館と完璧に東と西とでクロスするような日程だったのです。プロモーターもキョードー東京やユニバーサルではなくパン・ジャパンという会社。
　チケット売れなかったんですね、これが。当時の若者向け男性週刊誌に「空飛ぶ飛行船に3匹の犬が遠吠えしてる」とまで書かれていました。シカゴのようなグループやハードロック・プログレが人気だった当時の日本、「喜びの世界」というヒット曲もあったにせよ、ちょっとポップスに近いような彼らの音楽は人を呼べなかったようです。彼らが日本で超人気になるのは「オールド・ファッションド・ラブ・ソング」の大ヒットまで待つこととなります。
　ちなみに彼らのコンサート会場がしばらくして甲子園から(たぶん)大阪府立体育館へ変更となった事と、来日中止の理由は不入りではなくメンバーの交通事故が理由だった事を付け加えておきます(笑)。

[私のチケットのお話]
　私の周辺でただ一人 Three Dog Night のチケットを購入した友人から貰いました。「ツェッペリンのチケット買えばよかったな」と言ってた彼、どうも有難うございました。UFOだってずっと後に有名になったんですよね。話の種に行って良かったです。