ところでこのコンサートの内容、殆ど憶えていないんです。特に衝撃的だったわけでもなく、自分自身、熱中して興奮したわけでもないですし。というわけで、さらっと流しますので。
　前座は日本のプログレ・バンドであるクロニクルが出演しました。チョット訳ありで、クロニクルは途中から観ることに。メンバーは白いゆったりとした衣装を着ていて、プログレ風のイメージを演出していたのにはチョット苦笑。PFM の前座としては、なんとなく納得したのですが、叙情的なクロニクルは PFM と少し傾向が似ていて、今思うとチョット適当ではなかったような気もします。
　休憩のあとの登場です。ホント、ステージの情景が目に浮かばないのです。クロニクルよりも浮かばない。ライブを観たバンドって、20年以上経った今でも、そのステージの情景が目に浮かぶのですが、PFM はまるでダメ。参りましたね。曲は１枚目・２枚目からの曲を演奏してくれ、私が持っている「甦る世界」からも多くの曲を演ってくれました。こんなところで勘弁して。

***よもやま話 いろいろ***
[スト権スト---遅れたお話]
　開場時間に遅れた理由というか、当日のトラブルのお話です。PFM は前々から予定していたというわけでなく、急遽観に行くことになりました。友人で、早くからNice や King Crimson に注目していた、プログレ好きの Mori クンと電話で話をしているうちに、なんとなく一緒に行くことに。彼とはこの前年に四人囃子を一緒に観に行っています。当日は私が先に行って当日券を買う段取りでした。
　当日は11/26から始まった国鉄(現JR)のスト権ストの真っ最中で、中野へ行く足がなかったのですね。私は東急東横線と地下鉄を乗り継いで中野入りし、発売開始と同時に当日券を２枚買ったのです。ところが待てど暮らせど Mori クンが来ない。自宅へ電話しても、家族の方がおっしゃるには、本人は出たとのこと。でも来ないんですよ。

[ついに開演時間---遅れたお話]
　ついに開演時間になってしまいました。中からは演奏が聞こえてきます。前座のクロニクルとは気がつかない私は、焦りまくったのです。しょうがないので、 Mori クンを裏切った私は、彼のチケットを売ることを決意したのです。『もし彼がやってきても、まだチケットは売れ残っているようだし、席は隣同士ではないにしろ、それを買ってもらおう』って考えたのですよね。チケットを私がもってると3000円が無駄になるし。
　当日券売り場の前で私は待ちます。最初に一人で来た素敵な女性の方に声を掛けました。訳を言ってお願いしたのですが、見事に素っ気なく断られました。新手のナンパだと思われたのでしょうか(^^;)
次に声を掛けたのが、肩を通り越して腰まで伸びようかというストレートなロング・ヘアーの学生っぽい男性。これはうまくいって、チケットを買っていただきました。もちろん定価でね。ということで、その方とお隣同士でコンサート見物です。

[呼び出しのアナウンス---遅れたお話]
　急いで中へ入って驚きました。日本人が演っているではないですか。クロニクルには失礼ですが、こんなに焦ることなかった。もう少し待てばよかったかなって。クロニクルが終わって休憩時間になると、場内アナウンスでなんと私の名前が呼ばれるではありませんか。会場入り口へ行くと、そこには Mori クンの姿が。私がチケット持っていると悪いので、呼んでもらったのだそうです。彼の話によると、新左翼の学生が地下鉄の線路に火炎瓶を投げたために、電車がストップしてしまい、紆余曲折でやっと中野へたどり着いたそうです。

[おまけです---遅れたお話]
　コンサートが終わっての帰り、チケットを買っていただいた方が１万円札しか持っていなくて、私もお釣りがなかったために、お金を崩すために中野をうろうろと。結局は彼がタバコかなんかを買ってお金をこまかくして、3000円をいただきました。

　結局このコンサート、PFM のことなんかよりも、192時間も電車が止まった国鉄のスト権ストと、中野サンプラザ前で焦りまくったことなどが想い出に残っているコンサートでした。